山本直樹氏の漫画「田舎」のネタバレと感想、解説を書いていこうと思う。
今回は最終回でもある8話「帰還」。
前回はこちら
田舎(山本直樹)最終8話「帰還」のネタバレ
引き続き留守番をする二人。夕食を食べ、一緒に風呂に入りセックスをする。
風呂から出た後は全裸のまま縁側に座り、キス。そのままセックスをしようとするが、なぜかおしっこのかけ合いに。
おしっこを出した後、勃起したフーちゃんのイチモツをフェラするキーちゃん、そしてそのまま庭でセックスを。
精液が逆流してきたことを見せるとまたセックスをしたくなったキーちゃん。騎乗位、正常位でヤリまくる。
一瞬変な夢を見たフーちゃん。キーちゃんが実は死んでいるという夢だ。キーちゃんもフーちゃんが帰ってしまう夢を見たようだ。
その後、何度も何度もセックスをする二人。キーちゃんもセックスの快感に病みつきになっている。
再びフーちゃんは変な夢を見る。1年ぶりにキーちゃんに会ったら彼女は大人っぽくなっており、一年前にしたことを覚えていないと言うのだ。
その後、今度はベランダでセックスをする二人。
当初の予定通り、東京に帰還することになったフーちゃんはバスに乗り込む。振り向くと手を振っているキーちゃんの姿があった。
田舎(山本直樹)最終8話「帰還」の解説・感想
7話から引き続き留守番中である。相変わらずセックスをしまくっている。まあ風呂に入った後におしっこのかけ合いをするのは謎だが……
エロ描写については言うことはない。とにかくエロい、ただそれだけである。
この最終話で気になるのはこの一連の話が「夢なのか、現実なのか」という点だろう。
最終話でフーちゃんは2回夢を見る。1回目はキーちゃんはすでに死んでいるという夢、2回目は1年ぶりに会ったキーちゃんが昨年したことを覚えていないという夢だ。
1回目の夢でフーちゃんの本名が「深志」、キーちゃんの本名が「菊子」であることがわかる。深志はともかく、菊子はかなり古風な名前だと言える。
そもそも、本作にはスマホやパソコンといった現代的なデバイスが出てこない。時代設定すら不明である。細かい設定はほとんど省かれており、とにかくエロシーンを見せることに注力した作品だ。そのためこの描写で何かを読み取れるかというとそうでもない。
2回目の夢も難しい。1年ぶりに会って、あれだけヤリまくったことを覚えていないということは現実的にはあり得ないと言っていいだろう。また、1年しか経っていない割にはキーちゃんが成長し過ぎなようにも思える。
個人的には、フーちゃんとキーちゃんのひと夏の出来事は夢だったのではないかと思う。
まず、作品を通してキーちゃんが積極的すぎる。ここまで性的に積極的な女子はそうそういないだろう。基本的にフーちゃんの都合の良いように動きすぎである。
次はメタ的な見方にもなるが、妊娠のリスクがある中出しセックスをここまでヤリまくれるわけもない。
実は本作は「成年コミック」の指定をされていない「青年コミック」である。有害指定されたこともあり、ほとんどの電子書籍サイトではアダルトコーナーに置いてあるが。有害図書は「成人向けマークの付いていない書籍」のみが対象になる。
「青年コミック」として出した以上、一種の逃げ道として夢だとも解釈できるようにしたのではないだろうか。あとがきでも避妊はするように書いている。
フーちゃんが見た2つの夢のどちらかが正史なのではないだろうかと個人的には思う。
たが本当の答えはどこにもないのだろう。実際に読んでみて自分だけの答えを見つけてほしい。